いよいよヘルシンキを離れ、鉄道に乗ってフィンランド郊外を周る旅へ。
鉄道の旅は移動距離も長く、次の街まで数時間かかるということもしばしば。
欧州は地続きになっているので一部の国を除いて入国審査もほとんどない。
電車での移動中に国が変わっているというのはとても不思議な感じだった。
そのような事情から、日本を発つ前にユーレイルパスを購入した。
ユーレイルパスとは欧州のどの国でも使える鉄道フリーパスのことで、
1等車両と2等車両で値段もかなり違いがある。
どちらか好きなほうを選べるかと思いきや、
28歳をこえると1等車のパスしか買うことができないらしい。
私たちは30代だったため、必然的に1等車のパスを買うことに。
1等車にはゆったりとしたシートで乗っている人はビジネスマンか中高年の旅行者が多い。
落ち着いた雰囲気のカフェやレストランもあり、コーヒーの無料サービスや
ひざ掛けなども用意されているのでかなり快適。
しかしTシャツ姿でバックパックを背負った私たちは1等車の中ではかなり浮いている。
座席に座ると車掌さんからチケットをのチェックを求められるハメに・・(苦笑)
駅には改札口はなく、いきなりプラットフォームに入れる。
チケットは持っていることが前提なので、そこのチェックは必要ないのだろう。
実は後で知ったことだが、欧州で無賃乗車をすると大変なコトになるらしい。
ある日電車に乗っていたら、隣りの車両に乗っていた男性がいきなり車掌に首をつかまれ
ホームに放り出されていた・・。男は駅員に食ってかかっていたが、数人の駅員に取り抑えられて
上半身ハダカにされるわ、催涙スプレーを顔にかけられるわ etc・・
うっかりチケットをなくしたりしたら・・想像すると本当に恐ろしい〜。
電車の中は振動も少なくかなり静か。窓から見える風景を眺めながら
いろいろ想像を巡らせる時間は楽しいものだ。
車内放送は一切ないので、目的地は自分で確かめて降りなければならない。
慣れないうちはうかうか寝てもいられないが、慣れてくるとこの突き放した感じが心地よい。
欧州では自己責任という考え方が徹底している。
自分がしっかりしていなくては・・。と、時々不安に感じるけれど、
鉄道で移動する時間も旅の楽しみの1つになった。
ヘルシンキ中央駅を出発します!